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2022.01.31

令和4年度税制改正大綱について -子会社株式簿価減額特例

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1.はじめに
令和3年12月10日に、政府与党による令和4年度税制改正大綱が公表されました。今回はそのなかから、子会社株式簿価減額特例の改正について取り上げます。


2.子会社株式簿価減額特例とは
これは、令和2年度の税制改正で導入された、子会社から配当金を受け取った後に、配当により価値が下落した当該子会社株式を譲渡して損失を認識する節税スキームを防止する制度です。

 具体的には、子会社の簿価の10%を超える配当を受け取る場合に、配当の額のうち益金不算入相当の額を子会社の簿価から減額するというものです。

一方で、この制度には、以下の適用除外要件が設けられていました。
内国株主割合要件
子会社が内国法人で、継続して90%以上の株式を保有されるケース

特定支配日利益剰余金額要件(*)
  利益剰余金の金額が、以下の条件を満たすケース

{(配当を受け取る直前事業年度末の子会社の利益剰余金)- (親会社が受け取った配当金額)}

≧(子会社になる直前の事業年度末の利益剰余金に一定の金額を加味した金額)

(*) 特定支配日
内国法人が、その子法人と支配関係を有することとなった日


10年超支配要件
  条件を満たす子会社になってから10年経過した後に配当が行われるケース

金額要件
  配当金額が2,000万円以下のケース


3.改正の内容
この制度における今回の改正は、以下の二点です。

A 特定支配日利益剰余金額要件の変更
  配当を受ける事業年度中に増加した利益剰余金等が加味されました。

{(配当を受け取る直前事業年度末の子会社の利益剰余金)+ (期中増加利益剰余金)-(親会社が受け取った配当金額)}
≧(子会社になる直前の事業年度末の利益剰余金に一定の金額を加味した金額)+ (子会社になった事業年度における期中増加利益剰余金)


B  適用回避防止規定の不適用範囲の変更
 この制度の回避防止措置が不適用となる場合が拡充されます。


4.おわりに
今回は子会社株式簿価減額特例の改正について取り上げました。なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、
専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。
ご不明な点等ございましたら、お気軽に弊社までご相談下さい。


(参考資料)

令和4年度税制改正大綱

(令和3年12月24日アクセス)