1. はじめに
近年、クレジットカードの不正利用が増加しており、個人だけでなく法人にも重大な影響を与える問題となっています。 法人においては、従業員が会社のクレジットカードを不正に利用するケースや、外部の第三者による不正使用など、さまざまな状況が散見されます。本記事では、外部第三者による不正使用に伴う法人税法上の取り扱いについてみていきます。
2. 税務上の扱い/考え方
法人税法上、不正利用額は発生の時点にて「損金算入」が可能です。しかしながら、同時に損害賠償請求権を取得するという考えから、同額が「益金算入」される形となります。(同時両建説)
その後、請求権の回収ができない事実をもって、貸倒損失として、「損金算入」がされていきます。
しかしながら、不正発生時には請求権を計上せずに、実際に保証を受けた時点で、益金を認識することも考えられます。(異時両建説)
3. 不正利用防止のための対策
不正利用が発生しない運用を行うことが重要となるため、以下の対策が考えられます。
1) 社内規定の作成:カード利用に関するポリシーを作成
2) 従業員教育:従業員に周知し、不適切な利用を防止する。
3) 制限の設定:カード利用の目的や上限金額を明確に設定する。
4) モニタリングの実施:定期的に利用明細を確認し、不審な取引がないかチェックする。
5) セキュリティ強化:カード情報の漏洩を防ぐために、セキュリティ対策を徹底する。
4. おわりに
今回のニュースではクレジットカードの不正による損失の法人税法上の取り扱いについて取り上げました。なお、今回の解説も概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。ご不明な点がございましたら、お気軽に弊社までご相談ください。
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(参考資料)
国税庁ホームページ
(令和7年1月29日アクセス)
(令和7年1月29日アクセス)