1. はじめに
今月は、制度が始まり半年以上が経過したインボイス制度についてご説明したいと思います。国税庁のQ&A で多く寄せられる質問が更新されましたので、一部をご紹介させていただきます。(令和6年5月30日更新)
2. 適格請求書発行事業者における課税事業者届出書の提出の必要の有無について
適格請求書発行事業者が、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えることとなった場合、通常通り、「消費税課税事業者届出書」を提出する必要があるのでしょうか。適格請求書発行事業者は登録を受けるのと同時に基準期間における課税売上高が1,000万円を超えるかどうかにかかわらず、課税事業者となることから「消費税課税事業者届出書」を提出しなくても差し支えないこととなっています。
3. 予約サイトで事前決済した宿泊予約者に対する適格簡易請求書の交付方法について
予約サイトを通じて行われた宿泊等の予約について、適格請求書の発行義務者が、予約サイトなのか、宿泊施設なのか、また発行されるべき請求書について、不明確な部分がありました。
・ 通常予約サイト経由で決済が行われる、宿泊予約を行う場合(いわゆる手配旅行)には、宿泊施設において、適格簡易請求書の記載事項を満たした宿泊明細書など適宜の様式の書類を交付できます。
・ パックツアー等の宿泊を含んだ一連の旅行サービスの場合(いわゆる企画旅行)には、予約サイトにおいて、適格簡易請求書を発行する必要があります。
上記に関わらず、出張旅費等特例を適用した場合、適格簡易請求書等を受領せずに、仕入税額控除が認められる場合もあります。
4. おわりに
今回は、令和5年10月から開始されたインボイス制度において、国税庁のQ&Aで多く寄せられる質問についてご説明しました。なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。ご不明な点等ございましたら、お気軽に弊社までご相談下さい。
(参考文献)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
(令和6年6月20日アクセス)