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2024.05.31

令和6年度税制改正  交際費等から除外される飲食費に係る見直し

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1. はじめに 

今月は、かねてより、金額要件が物価上昇に追い付いていないと指摘を受けてきた、交際費等の範囲から除外される飲食費に係る金額要件について、令和6年4月1日より適用された見直しの内容と企業への影響についご紹介します。 

2.交際費等の取り扱い

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入れ先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいいますが、以下に掲げる費用は交際費等から除かれます。

 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用 
 一定事項を記載した書類を保存している場合で、1人あたり5,000円以下である飲食費(社内飲食費を除く。)【2024年3月31日まで】 
カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいなどの物品を贈与するために通常要する費用 
 会議に関連して、茶菓、弁当などの飲食物を供与するために通常要する費用 
 新聞、雑誌等の出版物または放送番組を編集するために行われる座談会や記事の収集または放送のための取材に通常要する費用 

法人税法上、交際費等の額は、原則として、全額損金不算入とされていますが、会社の規模に応じて、一定の損金算入が認められています。

3.改正の概要 (改定後) 

令和6年度税制改正より、4月1日から上記2の②について、1人当たり10,000円以下に引き上げられました。 

4.企業への影響と対応策 

この改正により、企業にて飲食費の取り扱いにつき、以下の検討が必要となります。

新しい基準及び記録義務について、従業員への説明
経理部門や各部署での飲食費申請および精算手続きの見直し
交際費の管理システムを利用している場合、新しい金額基準に対応した機能の追加や設定変更

5.おわり 

今回は、令和6年度税制改正のなかで、「交際費等から除外される飲食費に係る見直し」についてご説明しました。なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。ご不明な点等ございましたら、お気軽に弊社までご相談下さい。 


(参考文献)
・No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁 (nta.go.jp)
・財務省「令和6年度税制改正」(令和6年3月発行)」