1.はじめに
今回は国税庁が作成した「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」から実務上の留意点として、外貨建取引における適格請求書の記載事項についてご紹介いたします。
2. 記載事項
米ドルなどの外貨建てによる取引であっても、適格請求書に必要な記載事項は円建ての場合とほぼ同様で、記載事項を外国語や外貨により記載しても問題ありませんが、「税率の異なるごとに区分した消費税額等」については、円換算した金額を記載する必要があります。
3.「税率の異なるごとに区分した消費税額等」を円換算して算出する方法
「税率の異なるごとに区分した消費税額等」を円換算する際、算出方法の選択については、以下の二つが基準になります。
Ⅰ 「税率ごとに区分して合計した対価の額」が税抜あるいは税込のいずれか
Ⅱ いずれの時点で、円換算を行うか
具体的には、算出方法は以下の4つになります。
① 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税抜)を円換算後、消費税額等を算出する方法
② 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税込)を円換算後、消費税額等を算出する方法
③ 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税抜)から計算過程の消費税額等(外貨)を算出後、円換算する方法
④ 税率ごとに区分して合計した対価の額(外貨税込)から計算過程の消費税額等(外貨)を算出後、円換算する方法
4. おわりに
今回は、「外貨建取引における適格請求書の記載事項」について概要をご説明しました。なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。
(参考資料)
国税庁
消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A