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2023.04.28

外貨建資産等の換算の留意点 為替相場の著しい変動があった場合

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1. はじめに

2022年に、世界情勢の変化に伴い、経済に様々な変化が現れ、とりわけ為替相場にも大きな変動がありました。会社が外貨建資産を保有する場合には、その資産を円貨に換算する必要がありますが、今回のような為替相場の変動によって、実務上どのような影響があるのでしょうか。
今回は、為替相場の変動の影響をどのように実務処理に反映させるのか、具体的には、為替相場に著しい変動があった場合の税務上の処理における留意点を紹介します。


2. 外貨建資産等の換算の適用レートの原則

法人税法上の外貨建取引は、原則として、取引発生時の為替レートにより円換算をします。外貨建資産及び負債(以下「外貨建資産等」)の期末換算方法には、発生時換算法と期末時換算法の2つがあります。発生時換算法が取得時または発生時の為替相場で換算する方法で、期末時換算法が期末時の為替相場で換算する方法であり、資産の区分に応じて換算を行います。
期末時における外貨建資産等の換算をする場合、期末時の電信売相場(TTS)と電信買相場(TTB)の仲値(TTM)とされ、TTB又はTTSは、継続適用を条件として、事業年度終了の日を含む1か月以内の一定期間における平均値を採用することも可能になっています。


3. 為替相場の著しい変動があった場合の外貨建資産等の換算にかかる適用レート

ここで、昨今のような為替相場の著しい変動があった場合には、注意が必要です。法人税法上は、外貨建取引に係る為替相場が著しく変動した場合には、当該外貨建取引を当該事業年度終了の時において行ったものとみなして、外貨建取引の換算及び外貨建資産等の期末換算を行うことができるものとされています。この場合、外貨建取引は期末に行ったものとみなすことから、翌事業年度における洗替処理は必要ありません。為替相場の著しい変動があった場合とは、個々の外貨建資産等につき、変動率が15%以上に相当する場合を言います。
為替相場の著しい変動があった場合に、実務上の影響を勘案してどのような処理を選択するのかが重要になります。



4. おわりに

今回は、外貨建資産等の換算において、為替相場の著しい変動があった場合の適用レートについてご説明しました。なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。
ご不明な点等ございましたら、お気軽に弊社までご相談下さい。


(参考資料)
国税庁「第2節 外貨建資産等の換算等」