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2022.03.31

外国企業の日本進出手続  第一回 進出形態とその課税関係

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1. はじめに

日本はGDP世界第三位の経済大国です。市場規模の大きさや安定した治安など、世界中の企業にとって魅力的な市場のひとつであると言えるでしょう。日本政府も外国企業の日本進出を奨励するため、様々な施策を講じています。

このような日本を取り巻く環境の下、本シリーズでは、外国企業が日本に進出するにあたり必要となる基礎知識や手続をご紹介いたします。今回は、外国企業が日本市場に進出する場合の組織形態と、それぞれの課税関係をご紹介致します。



2. 日本への進出形態とその課税関係

日本への進出形態は、以下の三つに大別されます。

駐在員事務所

(特徴)

 駐在員事務所は、営業活動を行うための準備的行為のための拠点で、設置に際して登記手続の必要がありません。
日本において、市場調査、情報収集などの補助的活動を行うことができる一方で、直接的営業活動を行うことはできないなど、活動に制限があります。

(課税関係)

 所得が発生しないことから、原則として、日本で法人税・消費税等の申告義務はありません。しかし、上記の準備的行為を超える業務を行った場合には、課税が発生する場合がございます。


支店

(特徴)

 法律上は固有の法人格はなく、外国企業の一部分として取り扱われますが、登記を行うことにより、日本において継続的な営業取引を行うことができます。


(課税関係)

日本支店は、本店等とは別の独立した法人とみなして課税されます。日本支店の課税対象となる所得は、その日本支店(恒久的施設)に帰属する所得とその他一定の所得となります。


子会社(日本法人)

(特徴)

 子会社は、固有の法人格を持ち、設立に際して登記が必要になります。法人の形態にはいくつかの種類があり、会社法で定められたもののなかから選択しますが、実質的には、株式会社か合同会社かの選択になります。現状、株式会社が一般的な形態で、社会的信用度、認知度が高い等の利点がありますが、合同会社は定款自治の自由度がより高く、運営の事務負担が軽いという利点があります。


(課税関係)

原則として、所得の発生場所(所得源泉地)が日本だけでなく外国で発生した場合も含めて、その日本法人のすべての所得が課税対象になります。


弊社は、創業以来、外国企業の日本法人設立において、豊富な知見や経験を有しております。貴社の日本進出にあたり、最適な組織形態をお選びいただけるよう、様々な要素を考慮し、バイリンガルスタッフが、登記から税務申告まで、ワンストップサービスでお応えいたします。



3. おわりに

今回は、外国企業の日本進出手続シリーズの第一回目として、進出形態およびその課税関係について取り上げました。なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。
ご不明な点等ございましたら、お気軽に弊社までご相談下さい。



(参考資料)

JETRO日本での拠点設立方法

(令和4年3月21日アクセス)