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2015.06.01

個人住民税と年度更新について

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1. はじめに
住民税とは市町村民税と道府県民税を併せた地方税の事を指します。法人に対して課税される住民税もありますが今回は個人に対して課税される住民税(英語版:Individual Income Tax)についてお話しします。


住民税の税額は前年の1月から12月までの1年間の所得を基準として算出される『所得割』と所得金額に関係なく加算される『均等割』を合計した金額です。ただし前年に所得のある人全てに住民税が課される訳ではなく、前年の所得が一定額を超えない、生活保護を受けている、などは非課税となる場合もあります。


ご自分の住民税額がいくらになるのかをお知りになりたい場合には下記サイトで計算する事が可能ですので参考になさってみてください。


<全国地方税務協議会>
http://www.zenzeikyo.jp/resident_tax/index.php


2. 納税先の市区町村とは?
当年の1月1日現在に居住している市区町村が納税先の市区町村になります。例えば、元々はA市に住んでいて1月2日以降にB区に引っ越したとしても当年の住民税は1月1日に居住していたA市に納税します。


3. 特別徴収と普通徴収
市区町村への納税方法は『特別徴収』と『普通徴収』の2通りあります。


『特別徴収』とは年税額を12分割した金額を従業員(給与所得者)の給与から事業主(給与支払者)が毎月控除し、従業員に代わって事業主が納める方法です。当年の6月から開始し、翌年の5月まで続きます。この場合、納税義務者は事業主になります。


一方、『普通徴収』とは特別徴収には該当しない、いわゆる事業所得者や会社を途中で退職した人などが納める方法です。この場合、納税義務者は本人になり、納期は通常6・8・10・1月、年4回です。


4.『特別徴収』の義務付け
所得税の源泉徴収義務のある事業主は個人住民税を特別徴収する事が法律で義務付けられており、アルバイトやパートの従業員(支給期間が1ヵ月を超える期間により定められている給与のみの支払を受けている場合等を除く)に対しても特別徴収をする必要があり、事務が繁雑になるからといった理由で普通徴収にすることは出来ません。また従業員から普通徴収希望の申し出があったとしても同様です。近年、各市区町村では特別徴収を強化している傾向が見られます。


5. 年度更新について
『特別徴収』については市区町村から1年間の税額の内訳等について事業主用と本人用の通知が送られて来ますので、本人用の通知を事業主から従業員に渡します。通常は6月分の給与明細書と一緒に渡すケースが多いでしょう。


本人用の通知書には住民税の計算の基礎となった1年間の所得などの重要な個人情報が記載されているので取扱いには十分注意する必要があります。所得等の部分を予め保護シールによって隠した状態で送付している市区町村もあるくらいです。


既に退職している従業員に対して特別徴収の通知が到着してしまった場合には早急に普通徴収への切替手続きをします。普通徴収の納期は年4回なので1回分の金額も大きく1回目の納期限は6月末ですので5月末までに市区町村へ届出るのが望ましいです。又、今年度入社された方で前職にて一括徴収済み、もしくは普通徴収のままになっている方も5月末までに市区町村へ「特別徴収への切替届」の提出も忘れないでください。


以上、個人住民税と年度更新の概要をご説明しましたが、ご不明な点などございましたら弊社までお気軽にご連絡下さい。